西ノルウェーの「ハルダンゲル地方」
ハルダンゲル地方は西ノルウェーに位置し、北欧では珍しく冬でも雪が積もる事が少なく、りんごやサクランボ等の果樹園が多くみられる穏やかな風土が魅力の地域です。
5月にはりんごの花が一斉に咲き、山の上の氷河と「ハルダンゲルフィヨルド」の幻想的な風景を見ることが出来ます。
この穏やかな風土が幸いしたのか、ノルウェーの中でも特に個性的な深い文化が残っている土地でもあります。
ノルウェーを代表する作曲家「エドヴァルド・グリーグ」の出身地「ベルゲン」も近く、グリーグもこの地で多くの音楽を作曲しました。
ハルダンゲル地方のロフトフスにある「ウレンスバンホテル」には、グリーグの作曲小屋も残っており、ヴォーリング滝など含め、彼の足跡をたどる事が出来ます。
冬の夜空を彩る幻想的なオーロラ
ノルウェー北部では、冬になると大自然の神秘オーロラを観ることができます。北極圏最大の街「トロムソ」では、オーロラと共に美しい木造の建物や教会を楽しめます。
北欧の音楽家・グリーグも愛した地
北欧ノルウェーを代表する作曲家"エドヴァルド・グリーグ (1843〜1907)"。
彼は、夏になると度々ハルダンゲル地方を訪れました。
グリーグは、この地方の民族楽器ハルダンゲルヴァイオリンや民族音楽に深い影響をうけ、作曲活動に励み数々の名曲を残しています。
劇音楽「ペール・ギュント(Peer Gyunt)Op.23」の中にも、ハルダンゲルヴァイオリンに影響を受けた曲が幾つかあります。
序曲にはそのままハルダンゲルヴァイオリンで演奏できる「ハリング舞曲(Halling)」「スプリンガル(Springar)があり(オーケストラではビオラで演奏されています。)、有名な「朝の歌(Morgenstemming)」の主題のメロディは、ハルダンゲル ヴァイオリンの共鳴弦から生まれた曲としてノルウェーの人々には知られています。
伝統の織物「ハルダンゲル刺繍」
Hardangersøm
ハルダンゲル刺繍は、日本で「ハーダンガー刺繍」として紹介されている人気の刺繍の一つです。
もとは西ノルウェー「ハルダンゲル地方」生まれの刺繍で、主にハルダンゲル地方の民族衣装「ブーナッド」に使用され、その華やかさと繊細な造りは現在でも人気で、ノルウェーを代表する民族衣装です。
現在はインテリアからアクセサリーまで、白糸だけでつくるものから、色糸を使ったカラフルなものまで多様なデザインがあります。
ハルダンゲルの食事
西ノルウェーではサーモンや鱒等のお魚はもちろん、羊肉や子羊肉も多く食されます。
実りの時期にはリンゴやサクランボ、ベリーの摘みたての新鮮なジャムや焼き菓子もおいしく頂けます。
またこの地のリンゴ農家で特別に作られる、かのグリーグも愛したリンゴ酒は貴重な一品です。
美しい民族衣装「ブーナッド」
Bunad
日本でいう着物にあたるこの民族衣装は、主に冠婚葬祭時に着用し、地方によりデザインや色のモチーフが異なります。ハルダンゲル地方のブーナッドは、ハルダンゲル刺繍が多く施され美しく、ノルウェーでも人気のデザインです。
伝統の踊り「ビュグデダンス」
Bygdedans
ノルウェーの民族舞踊や民族音楽の演奏は、口頭伝承で受け継がれ、踊り手と演奏者とのやり取りや、その場の雰囲気で踊られ、一般的なハルダンゲルヴァイオリンの音楽は、そのダンスから育まれてきました。
ノルウェーの様々な民族舞踊、「ハリング」、「ガンガル」と「ラウル」(2拍子)や、「ポルス」「スプリンガル」(3拍子)などはダンスの種類です。
18世紀に入ってから「ガンメルダンス」、つまり「古い踊り」(ワルツ、マズルカ、ラインレンデルなど)は、出稼ぎに来たドイツやポーランド人などと共に移入され、徐々に昔の「ビュグデダンス」と共に、ノルウェー民族舞踊のレパートリに統合されてきました。
現在も夏の様々なイベント、お祭りや結婚式などに、ハルダンゲルヴァイオリンの音色と共に、多くのノルウェーの人々がダンスを楽しみます。
ハルダンゲル地区 7つの自治体の市長達から
ウレンスヴァング地方自治体
ウレンスヴァング (Ullensvang)地方自治区の市長「ソールフリッド・ボルゲ氏(Solfrid Borge)」は 2011年に選任され、中央党を代表しています。
WELCOME TO ULLENSVANG!
本市は、ノルウェー最大の果樹園があり、ハルダンゲルの中心部に位置しています。
ウレンスヴァング市はとても広く、南部のオッダ(Odda)自治体から、北のアイドフィヨルド(Eidsfjord)自治体や、ブル(Bull)半島にも及んでいます。
大自然の広大な広がりと山々と共に、二つの国立公園に囲まれていますが、人口は3450人の少ない市です。
ここでは、素晴らしい自然の景観と生物多様性を楽しみながら、とてもエキサイティングな暮らしをすることが出来ます。
ヒンサルヴィーク(Kinsarvik)は自治体の中心で、自治体管理センターがあります。
市議会は21人で構成されており、政治組織は6党(中央党、労働党、キリスト教民主党、保守党、左派社会党と右党)に分かれています。
その21人は様々な委員会に分裂しており、会長会は9人、企画資源評議会は5人、高齢者の取締役会は5人、障がい者の評議会は5人、青年協議会は7人から成り立たれています。
この地方の誇りであるハルダンゲルフョルド沿いの高級ホテル「ウレンスヴァング」及び、13世紀の石造りの教会、ノルウェーの女王ソニヤにちなんだ『パノラマハイキングツアー』は、絶対に見逃してはいけない観光スポットです。
ウレンスヴァング自治体 市長: ソールフリッド・ボルゲ
ウルヴィク地方自治体
ハンス・ペッテル・トルビョーンセン(Hans Petter Thorbjørnsen)は2015年の期間までに労働党による市長に選任されています。
本市は「ホルダランド県」の自治体の一つです。
グランヴィン、アイドフィヨルド、ウレンスヴァング、ヴォス、アウルラン、そしてホルは近隣自治体です。
ウルヴィクはウルヴィク・フィヨルドの奥にあり、
1、伝統的工芸品産業
2、家具業(ノルウェーデザインの振興に貢献)
3、四つのフィヨルドホテル
4、フルーツ・ベリー農業や牧羊
が主要産業を占めており、夏には外国からの客船が多く訪れます。
ノルウェーの有名な詩人である「オラブ・H.ハウゲ」は、〜揺りかごから墓場まで〜一生涯ウルヴィクで果樹園を営みながら庭師として働いていました。
また彼が観測したハルダンゲルフィヨルドの「月」は、こういう詩になりました。
『きょう目にしたものは、二つの月、一つが新しくて、一つが古い、
僕が大いに信じる月は新しい月だ。けど、きょう目にした月は古い月かな』
ウルヴィク自治体 市長:ハンス・ペッテル・トルビョーンセン
オッダ地方自治体
市長ヨン・オプダール氏(John Opdal)は 2011年に選任され、保守党を代表しています。
本市はノルウェーのホルダランド県の一区画です。
オッダの町はハルダンゲル・フィヨルドの端に位置しており、ハルダンゲル県南部の中央部にあります。
1913年7月1日にウレンスヴァング(Ullensvang)と切り離され、1964年1月1日にオッダにロールダール(Røldal)と合併して今に至っています。
この区でエリング・ヨンソンが化学肥料を作り出す生成方法を考え、「オッダプロセス」とも呼ばれている。オッダはハルダンゲル県の重工業や鉄鋼業産業の中心部です。
オッダは最初の教会が建設された古い農場「オッダ」にちなんで名付けられ、「岬」という意味を持っており、 区章は「鏃」を表しています。
オッダ地方自治体 市長:ヨン・オプダール
ヨンダール地方自治体
市長ヨン・ラーシュ・ガルド氏(Jon Lars Gard)は 2011年に選任され、中央党を代表しています。
ハルダンゲルが位置するホルドランド県はヴァイキング時代からこの土地を示す言葉です。
ヴァイキングの種族の名前がホルド(hörðar)であり、それに陸や土地を表すラン(land)を付けた名前と思われます。
ホルドラン県は丸に近い形をしており、ノルウェーの西海岸に面しています。
国内でも主なフィヨルドとして数えられる「ハルダンゲル・フィヨルド」が、ホルダランド県を南西から北東にかけてかなり深く裂いており、旅行客を集めています。
またヨンダールの近くにフォルゲフォンナ氷河国立公園があり、ここでは自然との共存共栄をはかっております。
ヨンダールは有名な歌手と女優、ヘルボルグ・クロケヴィーク(Herborg Kråkevik)の生まれ故郷です。
ヨンダール地方自治体 市長: ヨン・ラーシュ・ガルド
グランヴィン地方自治区
市長インゲビョルグ・ヴィンジュム氏(Ingebjørg Winjum)は 2011年に選任され、左党を代表しています。
本市は、ハルダンゲル・フィヨルドに挟まれたところに位置し、地域を取り巻くさまざまな条件のもとで、独自の歴史(例えば市の紋章に付いているハルダンゲルヴァイオリンや建築物)を築いてきました。
現在でも、本市にとって貴重な文化財が、市内の各所に残されています。
「林業」「農業産業」「観光業」は、主要産業を占めています。
本市はアウトドア アクティビティーも盛んで、春と夏は、果物狩り、釣り、フィヨルドセーリング、キャビン、山の農業などを楽しむ人々でいっぱいになります。
秋と冬は多くの人々が、スキーを楽しみ、週末には良く家族連れでスキー場に出掛けます。
グランヴィン地方自治区 市長:インゲビョルグ・ヴィンジュム
クヴァム地方自治区
市長アスビョルヌ・トーロ氏(ASBJØRN TOLO)は 2011年に選任され、保守党を代表しています。
ある意味でハルダンゲル地方はノルウェーのミニチュアであり、国の幾つかの象徴の根源がここで集結されています。
ハルダンゲルヴァイオリンの発祥地の一つである「ボットネン」が我々の地方にあることを誇りとしています。
ここでは、17、18世紀に数多くのヴァイオリンが造られていました。
ノルウェーを代表する作曲家でピアニストである「ゲイル・トヴェイト」は一生の残る40年を、本市で過ごしていました。
クヴァム地方自治体 市長:アスビョルヌ・トーロ
アイドフィヨルド地方自治体
市長アンヴェッド・ヨハン・トヴェイト氏(Anved Johan Tveit)は 2011年に選任され、中央党を代表しています。
本市は、1977年以来自治体となっています。
70年代の水力発電開発のため、景気は徐々に緩やかに回復し、現在のアイドフィヨルド市民達は様々な良い福祉施設や、良好な幼稚園、小中学校など、いわゆる『幸福感』のある安定した共同体を持ち、ゆとりのある暮らしをしています。
アイドフィヨルドの最初の入植者は、トナカイの狩猟をしていました。
何世紀にもわたって現在も住民にとってトナカイ事業は重要なものです。
その他、アイドフィヨルドは主要なクルーズ港と見なされ、山の中に設置されている水力発電所や、ハルダンゲルヴィッダ高原(国立公園)、その高原の西端には落差182mの滝『ヴォーリングフォッセン』があります。
ハルダンゲルヴィッダ自然センターも重要な観光スポットの一つです。
アイドフィヨルド地方自治区 市長: アンヴェッド・ヨハン・トヴェイト