2018年、ノルウェーの作曲家グリーグの誕生日でもある6月15日に、ハルダンゲル自治区から「Good-will ambassador of Hardanger(ハルダンゲル親善大使)」に任命されました。

Good-will ambassador of Hardanger(ハルダンゲル親善大使)


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山瀬理桜
ハルダンゲル親善大使

ハルダンゲル親善大使は、ハルダンゲル地方の文化や伝統を代表した名誉として与えられます。
ハルダンゲルは、ハルダンゲルフィヨルド周辺の7つの自治体によって構成されています。
文化や観光はハルダンゲルにとってとても重要であり、どちらも長年の伝統があります。
ハルダンゲルヴァイオリンとその音楽は、私たちの文化遺産です。
ハルダンゲルの議会と7人の市長たちは、あなたが日本でハルダンゲルヴァイオリンを命ある楽器として活動させ、世界にノルウェーのクラシックや伝統音楽と共に広げる功績をとても嬉しく思います。
あなたのハルダンゲルのためのたくさんの努力に心より感謝します。


ノルウェーが認めた、日本で唯一のハルダンゲルヴァイオリニスト・山瀬理桜

2018年6月15日、ノルウェーを代表する作曲家、エドワルド・グリーグの誕生日という記念の日に、ハルダンゲルヴァイオリニストの山瀬理桜が、日本のみならず世界にハルダンゲルヴァイオリンを始めとしたノルウェー・ハルダンゲル地方の文化や伝統を広めた功績が認められ、ハルダンゲル地方の親善大使に任命されました。

ハルダンゲルフィヨルド周辺の7つの自治体によって構成されているハルダンゲル地方は、西ノルウェーに位置し、北欧では珍しく冬でも雪が積もることが少なく、りんごやサクランボ等の果樹園が多くみられる穏やかな風土が魅力の地域です。

山瀬さんがハルダンゲル地方で生まれた民族楽器・ハルダンゲルヴァイオリンと出会ったのは、音大を卒業後にヴァイオリニストとして活動を始めた頃。ノルウェー人と結婚したピアニストの姉と、ノルウェーの国民的な画家であるエドヴァルド・ムンクのオスロにある美術館(ムンク美術館)で日本人初のコンサートを開いたとき、ハルダンゲルヴァイオリンの存在を知り、3年後にようやく本物を目にします。

その後、故ハールバル・クヴォーレ氏に師事した山瀬さん。1992年より国内オーケストラと共演、ムンク美術館内ホールをはじめ、日本と北欧を中心にコンサートツアーを開始するなど、以前より北欧で活動していた山瀬さんですが、2003年以降は本格的にハルダンゲルヴァイオリニストとしての活動をスタートさせます。

『スタジオパークでこんにちは』(NHK)への出演や、朝日新聞「天声人語」で取り上げられるなど、各メディアでもその活動が紹介されるようになり、2007年にはハルダンゲルヴァイオリン使用日本初演となる音楽劇『ペールギュント』を、国内のオーケストラと多数共演し好評を得るなど、まったく知られていなかったハルダンゲルヴァイオリンが広く認知される機会を多く作ってきました。

日本のメディアだけでなく、ノルウェーのメディアでも注目を集め、国営放送NRKやノルウェーの新聞「アフトゥンポッスン」でも取り上げられるなど、現地でもその活動が認められています。

さらに、アニメ界の巨匠・宮崎駿さんからもその演奏は高く評価され、2006年には宮崎駿監督の短編アニメ『水グモもんもん』の音楽監督(作曲&演奏)を担当。また、同年公開されたスタジオジブリ作品『ゲド戦記』にもハルダンゲルヴァイオリンの演奏で参加しました。

『フィヨルドの愛の唄』(ビクターエンタテインメント)など、これまでに多数のCDをリリースし、国内外でのコンサートはのべ1000回を超える山瀬さんですが、自身の演奏活動だけでなく、人材の育成にも余念がなく、これまでに指導してきた生徒の数は50人にものぼります。また、独自のスカラシップ制度をつくり、ノルウェーへの留学制度を支援したり、本国から奏者を呼び寄せてコンサートを開くなどの活動も行っています。

文化交流にも力をいれ、2009年にはノルウェーなどの北欧文化を日本に紹介する組織「㈳日本ハルダンゲルクラブ」を設立し、理事長に就任。コンサートなどの演奏活動や、ハルダンゲルヴァイオリンのレッスン、楽器の紹介、レンタルなどはもちろん、ハルダンゲル刺繍やブーナッド(民族衣装)の紹介、さらには料理教室やダンス教室の開催など、その活動は多岐に渡っています。

「ノルウェーの伝統文化を守り、さらに広めていくことが私の使命だと思っています」と話す山瀬さん。その情熱に裏付けされた活動が認められた結果が、今回の日本人初の名誉ある親善大使就任につながったと言えます。

今後の活動についても「ハルダンゲルヴァイオリンをまったく知らない人にも知ってもらいたい。まだ日本全国を回れていないので、全国各地の学校へ出かけるなどして、ハルダンゲルヴァイオリンを若い世代にも伝えていきたいです」と意欲を燃やす山瀬さん。また、北欧のライフスタイルを提案していきたいという思いもあるそうで、親善大使としての山瀬理桜の今後の活動からも目が離せません。


ハルダンゲル市長からの声明

ハルダンゲルの市民と地域社会を代表して、山瀬理桜氏がハルダンゲル親善大使に任命されたことを喜びと誇りをもって発表します。
嬉しい事に私たちハルダンゲルフィヨルド地域の市長達は、山瀬理桜氏により何世紀も昔からの地域の伝統が、プロフェッショナルなレベルに引き上げられ発信され、様々な機会にて長年にわたる山瀬理桜氏の忍耐強い活躍の結果を目にすることが出来ました。
これは日本、ノルウェー、そしてハルダンゲルにおいて文化意識を高めることに大きく貢献しているといえます。
私たちは山瀬理桜氏によるすべての労力や素晴らしい仕事にとても感謝し、今後のご活躍も心よりお祈りしております。

ハルダンゲル議会 議長
ハンス・ペッテル・トルビョルンセン


Statement from the Mayors of Hardanger

  On behalf of the citizens and local communities in Hardanger, it is with great pleasure and  honour we announce that Ms Rio Yamase has been appointed a Goodwill-ambassador of Hardanger.

  We, the mayors of the municipalities of the Hardangerfjord region, have on several occasions had the pleasure to see the results of Ms Rio Yamase’s enduring work since many years, and to see a century old local tradition being promoted and taken to a professional level by Ms Rio Yamase. This is an important contribution to cultural awareness both in Japan, Norway and in Hardanger.

  We appreciate all the efforts and hard work of Ms Rio Yamase, with our best wishes for the years to come.

  Mayor of the Hardanger council,

Hans Petter Thorbjørnsen


ハルダンゲルフィヨルド地域観光局長のコメント

関係各位

まず、山瀬理桜さんのハルダンゲル親善大使への任命おめでとうございます。
ハルダンゲルフィヨルド地域の観光業代表として、長年にわたる山瀬理桜さんの活躍を間近に目にすることはとても喜ばしく感謝しています。
19世紀初頭、観光客がイギリスやドイツから来始めた頃から、我々の地域において「文化」というものは観光業にとって大事な役割を果たしていました。
当時の私たちの観光客は、最初は“野生的かつ美しい自然”を目当てに訪れましたが、滞在中は自然だけではなく現地の人々、彼らの音楽、伝統や日々の生活に出会っていきました。
訪れたのは観光客だけではなく、我らが偉大なる作曲家「エドヴァルド・グリーグ」もその一人で、ハルダンゲル地域に長期間滞在し、地域の伝統音楽を学び、これらの古のノルウェーの伝統を取り込み、芸術作品に変形させました。
そして全く同じ源により、これは現在山瀬理桜さんが日本や他の地域に、洗練された形にて促進させる情熱や任務になっています。
私たちは、新しい聴衆へ「ノルウェー」や「ハルダンゲル」のクラシック音楽と伝統音楽両方の知識の拡散をもたらした、山瀬理桜さんの絶え間ない労力に感謝しています。
そして私たちは、山瀬理桜さんが日本でとてもよく促進している文化的遺産に携わることを誇りに思い、彼女の今後の日本や世界での更なる成功を心よりお祈り申し上げます。

ハルダンゲルフィヨルド地域観光推進機関
Visit Hardanger Fjord
マネージャー
ハンス・ヨルゲン・アンデルセン


To whom it may concern,
First of all, congratulations to Ms Rio Yamase with the appointment as a Goodwill-ambassador of Hardanger.
As a representative of the tourism industry in the Hardangerfjord region it is with great joy and pleasure we have followed the work of Ms Rio Yamase since many years.
Culture has been an important part of tourism in our region since the early days in the 19th century when tourists started to come from England and Germany. Our guests at that time came primarily because of the wild and beautiful nature, but of course they also met with the local people, their music, traditions and daily life. Not only tourists came, our great composer Edvard Grieg spent long periods in Hardanger, also learning about the traditional music in the area, and was inspired to transform these ancient Norwegian traditions into art music. And from exactly the same sources, this is now what Ms Rio Yamase has made her passionate mission to promote in Japan and in other countries so exquisitely.
We are so happy for Ms Rio Yamase’s continuous efforts, resulting in the proliferation of the knowledge of both classical music and the folk music of Norway and Hardanger to new audiences.
We are proud to be a part of the heritage that Ms Rio Yamase is promoting so well in Japan and wishing her further success in the years to come for the continuing work both in Japan and abroad.

Hans Jørgen Andersen
Manager
Visit Hardanger Fjord
ハルダンゲル・フィヨルド地域観光推進機関
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